第3戦 1-1 レポート

 

東海地方のロードレースシリーズ「KINAN COUPE DE AACA」は326日、2016年 シーズン第 3 戦を国営木曽三川公園・長良川サービスセンター前特設コースで開催。メー ンレースの 1-1 クラスは、中盤で抜け出した選手たちによる優勝争いとなり、最後は昨年 シリーズ 4 勝を挙げた野中竜馬が今シーズン初優勝を果たした。 

 

1 月の第 1 戦、2 月の第 2 戦に続き、今回も会場を同じくしてレースは実施された。とは いえ、春を迎えてシーズンが本格化する時期とあって、周回距離が前戦までの 3.1km か ら 5.1km へ、それにともない 62km から 102km とレース距離も延長された。この変化が 出場選手の思惑やレース展開にどのように影響するかが見どころとなった。

今回は、ホストチームであるUCIコンチネンタルチーム「KINAN Cycling Team」から 阿曽圭佑、伊丹健治、阿曽光佑、野中竜馬、中西重智の 5 人が出場。さらには、愛三工業 レーシングチーム、シエルヴォ奈良 MIYARA-MERIDA レーシングチーム、ニールプライ ド・南信スバルサイクリングチームといった国内トップチーム、トラック中距離のホープ で地元・岐阜出身の橋本英也(NIPPO Racing Project)も参戦。スタート前から会場は大 きな盛り上がりを見せた。 

終盤まで逃げ続けた 14 人の選手たち

 

アタックと吸収を繰り返した序盤を経て、レースが動きを見せたのは 8 周回目。ニールプ ライド勢を中心に 9 人の逃げグループが形成される。さらに、伊丹と野中らを含む 5 人の 追走グループが前を追う。やがて 2 つのグループが合流し、14 人がレースを先行した。 

 

メーン集団でも追う姿勢を見せる選手が現れるものの、いずれも長くは続かず、逃げる 14 人との差は最大で 1 分にまで広がる。さらには、逃げグループからロイック・デリアック 選手(ニールプライド・南信スバルサイクリングチーム)が単独で飛び出し、KINAN や 愛三勢を中心に協調してロイック選手を追ったこともあり、後続との差が終盤まで縮まる ことはなく、逃げ切りが濃厚となった。 

 

逃げグループから単独でアタックしたロイック・デリアック選手 

 

16 周回目にロイック選手は吸収された。その後は KINAN、愛三、ニールプライドと複数 メンバーを先頭に送り込んだトップチームが盛んにアタックを繰り出し、やがて逃げグル ープには力のある選手だけが残る展開となった。そして、決定的なリードを奪う選手が現 れないまま 6 人がラスト 1 周の鐘を聞いた。 

 

各選手スプリントを意識し、激しいポジション争いを繰り広げながらフィニッシュを目指 す。そして運命の最終コーナー。抜群のタイミングで仕掛けたのは野中だった。先頭でコ ーナーを抜けると、フィニッシュ前の上りでも勢いは衰えず、最後は後続に 10m 近い差 をつけてゴールに飛び込んだ。 

 

野中は今シーズンに入り、2 月のボルタ・コムニタ・ア・ラ・バレンシアーナ(スペイン、 UCI2.1)、ツール・ド・フィリピン(UCI2.2)でアシストとしてチームに貢献。調子を上 げて春を迎え、3 20 日の JBCF 宇都宮クリテリウム(J プロツアー)では優勝争いに 絡み 8 位となっていた。好調を持続し臨んだ今回、持ち前のスピードを発揮しシーズン初 勝利を手繰り寄せた。レースを振り返り、「逃げグループ内での協調は保たれていたので、 ロイック選手がアタックして飛び出したときも焦りはなかった。最終局面もよいポジショ ンが確保できたので、勝てると確信していた。スプリントの調子が上がっていたので、勝 ててよかった」とコメントした。 

 

中部地方のみならず全国各地から参加選手が集まり、レースのレベルが高まる一方の本シ リーズ。第 4 戦は 4 29 日、30 日の 2 ステージ制を採用。第 1 ステージは国営木曽三川 公園・長良川サービスセンター前特設コース(1-1 クラス 112.2km)で、第 2 ステージは ツアー・オブ・ジャパンいなべステージのメーン会場でもある「いなべ市梅林公園」(1-1 クラス 60km)で行われる。勝負強さと合わせ、総合力が問われる 2 日間となりそうだ。 

 

Coupe de AACA 3 1-1 クラス(102km)結果
1 野中竜馬(KINAN Cycling Team)
2 ジェゾン・ヴァラド(ニールプライド・南信スバルサイクリングチーム)

3 山下貴宏(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)
4 中根英登(愛三工業レーシングチーム)
5 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)